桜(さくら)の園芸品種
日本の桜の園芸品種をご紹介します。
一 葉(いちよう)
花芯から一本の葉化した雌しべが出ることからこの名前が付けられました。花は八重咲きで淡紅色ですが、満開になると白っぽくなり、花全体がやや縮れているように見えます。花は普賢象などよりは少し小さめで、柄の垂れる可憐な桜です。生長すると8~12mほどの大木となるので、広い公園や並木などに適しています。東京付近に多く植えられており、特に新宿御苑や多磨墓地などには老大木が多く、その存在が良く知られています。
関 山(かんざん)
古くから知られている里桜の代表的な品種のひとつです。花は大形の八重咲き、色は濃紅色で艶やかです。この艶やかさが外国でも好まれ、アメリカやイギリス、オ-ストラリアなど海外にも広く植えられています。成長も早く、9~13m程度の大木になります。枝が上向きに伸びるので、大きな庭園や公園などの植栽に大変適しています。
松 月(しょうげつ)
花つきが非常に良く、たいへん優美な桜のひとつです。花は八重咲きで大きく、色は淡紅色(外弁は帯紅色、内弁は白色)で、満開になると白っぽく変化します。木は4~5mほどに育ち、枝は横に広がって傘の形のようになります。枝が横に広がるので、大きな庭園や公園などに適しています。

染井吉野(そめいよしの)
今やサクラの代名詞ともいえるソメイヨシノは、園芸品種を代表する品種です。
花は淡紅色の一重で、葉が出るよりも先に密集して咲き、木全体が花で覆われます。その姿はまさに絢爛豪華です。江戸時代末期、江戸染井村(現在の豊島区駒込)の植木屋が「吉野桜」と称して売り出しました。その後、吉野山のヤマザクラと区別するためにこの桜が誕生した地の「染井」の名が付け加えられ、「染井吉野」と呼ばれるようになりました。
ソメイヨシノは繁殖が容易で生長も早く、また花の咲き方も非常によいことから急速に全国各地に普及しました。公園や学校に、また街路樹として、さらに堤防などの公共施設にも数多く植えられています。
現在、お花見の桜といえば「ソメイヨシノ」が思い浮かぶほど身近な桜になっています。
普賢象(ふげんぞう)
最も古い里桜の代表的な品種で、室町時代から知られています。またの名を「普賢堂」ともいいます。普賢象という名前は、花の中心部にある二枚の緑色の葉(雌しべが葉化したもの)が外側に曲がった様が、普賢菩薩の乗っているゾウの鼻に似ていることから付けられました。花は大形の八重咲きで美しく、色は淡紅で、後に白っぽくなります。柄が長く横に広がり、花が垂れる上品な桜です。とても大きく育つ桜で、8~15mほどの大木になります。
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