日本人と桜(さくら)
「サクラ」という名前の由来は、一説に「咲く」に複数を意味する「ら」を加えたものとされていて、元来は花の密生する植物全体を指していたと言われています。
また、春になると里にやってくる稲(サ)の神が憑依する座(クラ)だから「サクラ」になったという説もあります。
他には、桜の霊である「木之花咲耶姫(このはなさくやひめ)」が、富士山の頂から最初の桜の花の種をまいて花を咲かせたので、姫の名前から「さくや」をとって「桜」になった、という説も伝わっています。
「木之花」は「此花」とされる場合もあります。
「古事記」にも出てくるこのお姫様の名前は ”この花(桜)のように美しい姫”という意味があるそうです。
古代の日本では、山に咲くヤマザクラ(山桜)や、八重咲きの桜が一般的な桜の花でした。今では大変有名な吉野の桜も、ヤマザクラです。

古くから日本人に親しまれてきた桜の花は、法的に定められてはいませんが、国花のひとつとされています。そのため、明治時代以降の軍隊や学校の制帽や階級章には桜を象った紋章が用いられています。また、現在でも警察や自衛隊などの紋章に使用されています。
財団法人日本さくらの会が平成4年に制定した、「さくらの日」(3月27日)もあります。
桜は鑑賞するだけではなく、果実を食用とするほか、花の塩漬けは桜湯に、葉の塩漬けは桜餅にと、食品としても古くから利用されて親しまれています。
春の季語としても使われる桜は、さまざまな事柄の表現にも用いられます。
サクラエビやサクラマスなど、体の色が赤いものの名前にも使われ、淡い紅色を「桜色(さくらいろ)」といいます。
電報などの文面にも用いられます。受験の結果を知らせる際に「サクラサク」は合格を、「サクラチル」は不合格の意味に使われます。
また、うばざくら(姥桜、乳母桜)は、開花時に葉がないことから「歯が無い」を暗喩した桜の通称です。そして桜には見頃があることから、年配でありながら艶めかしい女性を指す古語でもあります。
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