桜(さくら)の野生品種
日本の桜の野生品種の一部をご紹介します。
エドヒガン
本州・四国・九州と広く自生する桜で、アズマヒガン、ウバヒガンとも呼ばれています。花が早咲きであることが好まれて、古くから植えられてきた種類です。花は一重と八重咲きのものがあり、花色は白色から淡紅色まで変化に富んでいます。枝の垂下するシダレザクラ(枝垂桜)は、この種類の一型に属します。花は白色から淡紅色まであり、また、八重咲きの品種もあります。この桜は長寿で老樹が多く、各地に巨木・名木が点在しています。
彼岸桜・十月桜などは、エドヒガンに似ていますが、これらは別の種類です。
オオシマザクラ
房総半島や伊豆半島の南部、伊豆七島など本州の暖帯に自生する桜です。若葉は黄緑色で、ヤマザクラと同様に花より先に葉が開きます。花は白色で黄緑の若葉とよく調和し、優雅な美しさがあります。潮害や煤煙などに強いので、都市やその周辺で街路樹や公園樹として広く植栽されています。
葉は塩漬けにして、桜餅を包む皮として利用されています。
カンヒザクラ
『ヒカンザクラ』とも呼ばれていますが、ヒガンザクラ(彼岸桜)と混同されやすいため『カンヒザクラ』の名前が一般に用いられています。カンヒザクラは中国南部や台湾に分布していますが、古くから琉球列島や鹿児島県にも入ってきて石垣島や久米島などでは自生しています。花は1~3月に葉より先に開き(半開鐘状)、色は紅または濃紅で、まるで紅梅か緋桃のようです。現在は沖縄から伊豆半島にかけての温暖な地方で庭木として広く植栽されています。

マメザクラ
マメザクラは富士・伊豆・房総を中心とする地方に自生する種類です。このためまたの名をフジザクラ・ハコネザクラといいます。花は小さく、白または淡紅色で品のある清楚な美しさがあります。低木状の木にいっぱいの花を咲かせ、また萠芽力も大変良く、最近は盆栽や庭木として広く培養されるようになりました。
ヤマザクラとオオヤマザクラ
ヤマザクラは、我が国の桜の中で最も代表的な種類で、古くから詩や歌に詠まれるなどして大変親しまれてきました。
またの名をシロヤマザクラとも呼ばれ、主に本州中部以南に自生しています。花は白色か淡紅色で、なかには香りの強いものもあります。その清楚な花は一つだけをみるとそれほど目立ちませんが、開花と同時に出る若葉の色が木によっていろいろで、紅・褐・黄・緑などあり、その葉の色と花の色との調和が大変美しく気品が漂います。これに対し、主として中部以北に自生するオオヤマザクラ(別名・ベニヤマザクラ)は、花の色がヤマザクラより濃いばら色で、艶やかな美しさがあります。花や葉はヤマザクラよりも大きく、りん片の外側が著しく粘るのが特徴です。
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